外見が非常に綺麗な扉があり、家に招かれた人が、「この家の中はさぞ綺麗に片付けられて手入れされているであろう」と言った。
そして中に入ると、中は汚いものでいっぱいに溢れていて、まともに人をもてなせる家ではなかったので、招かれた人は家に入らず帰った。
そののち招かれた人は他の家に招かれた。すると今度は、外見が綺麗な扉に誰かかペンキをぶちまけた汚れがついていた。
招かれた人は家の人に、「せっかくの綺麗な扉がこんなになってしまっていて心苦しく思います。私も一緒にこの汚れを取りましょうか」と言った。
家の人は招かれた人の声かけに応じて一緒に汚れを落とした。
そしてようやく家の中に招いてもらえると思って入ると、先ほどと同じように家の中は汚いものでいっぱいに溢れていた。
招かれた人は、「あなたは先ほどの扉の汚れで傷心していたのでしょう。今度は家の中も一緒に片付けましょうか」と言った。
すると家の人は、「扉のペンキは私が自分でぶちまけたのに、あなたが綺麗にしたせいで、私はあなたを家の中に入れることになったではありませんか。招かれただけなのだから、扉を綺麗にしただけで終わり、家の中には入らずとも私の家は中まで綺麗だったと、帰ってから皆に言い広めていればよかったのです。あなたのせいで、また扉に汚れをつけなければならなくなりました。私はあなたを招きはしましたが、それは家ではなく扉にです」と言った。
招かれた人は悲しんで帰ると、その途中に扉が壊れて中に閉じ込められている人を見た。
その人が外に出られるように扉をこじ開けると、
中の人は「私は中から出られず困っていたのですが、まず家の中で直さなければならない所が幾つもあり、今それらを直し終えたところでした。そこにあなたが来てくれて、私は外に出られました。もしよければ扉をすぐに直しますので、そののち、うちで御馳走させて頂けないでしょうか」と言った。
招かれた人は一緒に扉を直し、家の人は中に喜び招き入れると、家の中は隅々まで綺麗に手入れされていた。
家の人はご馳走をもてなし、帰り際に言った、「私の住んでいる家は手入れが必要な所が多いですが、それでもよければまたいつでもいらっしゃって下さい。あなたならいつでも歓迎致します。あなたの家もきっと手入れが行き届いているのでしょうね」と言った。
招かれた人は、扉や家の壊れていた多くは、自分のせいではなく、その人の手入れぶりに妬みを持つ者たちが留守の間に壊しに来ていたせいだったが、その家の人の目は非常に明るかった。
20.10.26